舌痛症、おそらく全国の歯科医師でこの病気を治せるのは私と数十人いるかいないか①

First, Do No Harmの表題がついた10月1日のブログの最後にこういうことを書きました。

「 私はこの話に関連する過去につらい経験があります」

今日はその話をしましょう。

東京医科歯科の口腔外科には多くの人が診察に来られます。

歯を抜くことや口内炎などの病気に始まって、奇形や癌、その他あらゆる病気が口腔外科に集まります。

しかし、当時の第一口腔外科、第二口腔外科合わせても誰も治せなかった病気があります。

その一つに「仮面うつ病 Masked depression」があります。

この病気はうつ病と名前がついていますがうつ病ではありません。

簡単にいうと、「精神的な原因で肉体に何らかの症状が出るもの」です。

この病気は体のあらゆるところに出現します。

歯科領域では、一番多いのが「舌が痛い」 舌痛症です。もちろん舌以外にも症状が出ます。

舌は何も問題がないのに痛い。

しかもこの仮面うつ病は歯科のどんな教科書にものっていないのです。(舌痛症は載っていますが正確な治療法や診断などは記載がない)

当時、この患者さんが来ると漢方薬を処方するだけ。もちろん治りません。


ただ痛いだけなので統計も取れない、学会発表のテーマにもならない。

ある偶然から製薬会社主催の医科の学会に出席した私は自分なりに勉強しました。

他の医局員の机の本棚に外科や内科の本があるのに、私の本棚は精神科の本がびっしり(笑)

当時仮面うつ病の第一人者の筒井先生とも話しました。

そして、ようやく治療して治せるまでになったのです。

一般的には薬を用いますが、私は薬は最初の数日のみ。

あとは数回のお話だけです。

薬を使わない場合すらあります。

仮面うつ病の患者さんはどこの病院も治せないので病院をはしごすることが多いのです。

あるおばあさんは、3年間苦しんできた痛みを私が2回お話しすることですっかり治りました。

外来で「日本一の先生だ」って大きな声で言われたときは恥ずかしかったです。


なんだかずいぶん長くなったのでつらい経験は次回にお話しします。




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