困った歯医者 (ギャップが激しい) 2

さて、印象までお話しましたね。
*今回は用語解説しているととんでもない量になるので一般の方はごめんなさい。わかりにくいと思います。なんとなく想像してください*

そうそう寒天がないんです。
ラバーもシリコンもない。

しょうがないのでアルギン酸印象材だけでとりました。

で、テック(仮歯)。即重レジンは???

また、技工士さんに聞きに行きます。何度技工室と診療室を往復したでしょう。

「はい はい はい」
出してきたのは怪しげなビンの液体と、画材やさんで売ってる絵の具のようなビン。

えええええええ?

どうもこれがレジンらしい。液と粉を混ぜる。

混ぜる。  混ぜる。   混ぜる。 混ぜる。

・・・・・

固まらない!!!

また技工士さんに。

技工士さんは餅状になったレジンをバーナーにかざします。
「あちっ!」
そうして渡された塊は固まってました。

どうにかこうにかテックを作って、午前中の治療が終わりました。

患者さんに「ここはあまりに古い治療法だから他へ行ったほうがいいよ」
のどまで出かかりましたが・・・・

ちょっと落ち着いて気になっていたことを思い出しました。
技工室からず~っとトントン音がしてるんです。
普通補綴物を作るのに音なんかしない。

技工室へ見に行くと、作業台に牛の舌のような出っ張りがあってそこに黒いゴムが貼り付けてある。

その舌の上で技工士さんが薄っぺらい冠をたたいて形をつくってる。
そうなんです。打ち出し冠。つまりバケツ冠を作ってるんです。
バケツ冠知らない人も多いでしょうねえ。

既成の大き目の薄い冠を歯の模型にあわせて打ち、形にする。
ピッタリ合わない分はセメントで。
昭和初期の治療法です。

こんな旧式な治療法ですが、さすがに前歯部には新しい方法で治療してる。
バケツ冠の前面に穴を開けて歯が見えるようにしてある(笑)
つまり開面金冠。 (冗談です。こんな歯を入れている人は現代ではまずいません)

まいりました。
もう何もかもが知らないことばかり。私が習った教科書にも書いてなかった。
自分が能力がないのかと思いました。

お昼です。
「先生、こちらへ」
連れて行かれた自宅。立派でした。
豪勢な部屋。
20畳くらいのダイニングルーム。
診療室の5倍くらいです。
窓の外には大きなベンツが2台。

出されたのは上うな重。あんな立派なのいまだに食べてません(笑)

奥のほうで「昔取った杵柄歯科医」と「奥さん」が大声で話をしています。

「若い先生はだめだねえ。うちの先生なら午前中だけで50人みるのにねえ」

50!50人!!!!!

どうやったらそんなに診れるんだ???

だから立派な家とベンツ、うな重が食べられるんだ(笑)

結局「昔取った杵柄歯科医」と「奥さん」の2人に話しても理解してもらえないと思い、先生に大事な話があるといい、病院に連れて行ってもらいました。

半身麻痺の先生に、今の方法とは全くかけ離れていてどんな先生が来てもあの病院ではやっていけないと話をしました。一旦休診にして道具など新しい先生と話し合ってそろえたほうがいいと。

「やっぱりか!ありがとう」
そういった先生はちょっと寂しそうでした。

この話、後日談があります。
しばらくしてその小岩の病院旧式の器具で診療始めたそうでした。

誰が???あの診療ができる????

タイムスリップした気分でした。

小さい汚い診療室。広いきれいな自宅。
古い機械類。きれいなベンツ。
牛の舌、ウナギ(これは関係ないか)
すべてギャップが激しかったです。

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